在宅医療(訪問診療、往診)
在宅医療(訪問診療、往診)とは
在宅医療とは、以前から慣例的に往診と言われていたものですが、正確には現在は月に数回、定期的に患者さんのお宅(居宅)や施設などに伺って診察することを、訪問診療と言います。以前より使われてきた往診と言う言葉は、定期の訪問予定以外の診察の事で、昼間、緊急、夜間、深夜などと細かく分かれております。当院は、在宅療養支援診療所であり、24時間365日対応しておりますので、ご安心してお申込み頂けると思います。在宅医療は、外来通院の出来なくなった患者さんやそれに準じた患者さんが、ご利用いただけます。
当院の目指す在宅医療
在宅医療とは、可能な限り本来住み慣れた場所で最期まで自分らしく生活して行く為の医療面におけるサポートであるべきと考えております。 現状としては、毎年全国では120万人、静岡県は3万7000人程亡くなっております。患う病気にもよりますが、約50%~70%の方は、最期は自宅でご家族に見守られながら迎えたいと思っております。しかし、現実はどうでしょうか?
厚生労働省が出している、人口動態統計年報(平成22年)によりますと静岡県の場合 最期を迎えた場所: 病院 74.7% 自宅 13.8% 介護老人保健施設2.2% 老人ホーム 5.4% その他 2.0% 診療所 1.8% となっているのが現状です。本来は70%近い方が自宅を最期の場所として望んでいるのに、現実は70%以上の方が、病院で最期を迎えている。ここまで医療がすすんできているのに、何故最期の場所を我々は選ぶことが出来ないのでしょうか?
結論は簡単です。医療面を含め、『地域包括ケアシステム』がまだ充分に機能していないからです。
※Fax頂く前に、ご連絡頂ければ幸いです。
診療までの流れについて
ご家族の方が直接か、ケアマネージャーやケースワーカーなどを通してご相談、お申込み下さい。診療内容や料金等について説明致します。ご同意いただいたのちに、初回往診の予約をお取りします。そして、予約の日時にお宅や施設にお伺いします。2回目以降は、出来れば初回往診の際に定期の訪問診療の予定を組ませていただきます。
新患の申込依頼は上記依頼用紙をご利用下さい。
ご相談 ⇒ ご同意、 初回予約 ⇒ 初回往診 ⇒ 定期の訪問診療
在宅医療にて出来る事
あらゆる疾患に出来る限り対応致します。ご相談下さい。
当院、副院長が今までに診療してきた事がある診療内容。
栄養管理について
- 胃ろう等による経管栄養管理、
- CVポートからの中心静脈栄養管理(カフティーポンプSR を使用して)
- 静脈及び皮下点滴治療
痛みの緩和
- 経口、座薬による除痛が出来ない患者さんには、デュロテップパッチ(一般名:フェンタニル)などの張り薬による除痛や、持続的なモルヒネの注射などを行います。
在宅酸素療法(HOT)や人工呼吸器による管理
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患による低酸素血症や、神経難病(筋ジストロフィ、ALSなど)や、終末期医療の補助として
インスリン自己注射及び自己血糖測定管理
膀胱留置カテーテル
- 経尿道カテーテルや膀胱ろうなど
人工肛門(ストーマ)による排便管理
外科的処置治療
- 小切開創の処置及び褥瘡処置など
皮膚疾患、眼科疾患の治療
- ただし、専門医の診察が必要な際は往診していただきます。
費用について
【医療費のご負担について】
各種健康保険が適用されます
下表は費用自己負担分の概算です。
標準負担額は、月2回の訪問診療および緊急の往診と24時間の緊急体制に対する1ヶ月あたりの負担金額です。
対象者 | 負担割合 |
標準負担額 (月額平均) |
負担上限額 |
高齢者 | 1割 | 約6,500円 | 12,000円 |
高齢者(現役並所得者) | 3割 | 約20,000円 | 44,400円 |
一般 | 3割 | 約20,000円 | 80,100円 +超過1%※ |
公費対象者 | 0割 | 0円 | 0円 |
※高額療養費制度のご利用を御案内致します。
【説 明】
医療費負担の上限は全国一律で決まっています。
(高齢者で1割負担の方は12,000円、3割負担の方で44,400円)
この他に検査や複数回の往診などの治療を受けたとしても、1ヶ月あたりの診療費の自己負担は、1割負担の場合で概ね6,500円~12,000円程度、3割負担の高齢者の場合、20,000円~44,400円程度となるとお考え下さい。
◆ 介護保険利用者の方は、居宅療養管理指導料として、別に月額約580円の負担がかかります。
◆1回の訪問に対する交通費は実費として1回500円徴収させて頂きます。
◆院外処方のため、 薬代は通院・入院時と同じ金額だけ、別に薬局へ支払うことになります。薬代を抑える為、出来る限りジェネリック医薬品へ移行しております。
【お支払方法】
診療費(自己負担分)は月ごとにまとめさせていただき、翌月にまとめて、請求させて頂きます。
基本的には、自動引き落とし「口座振替」です。なお、手続きが済むまでは、診察に伺った際に、現金にて集金させて頂きます。
自己負担が減額または、無料になる場合があります。
脳梗塞の後遺症や加齢で四肢が不自由な方など、重度の身体障害のある方は、重度心身障害者医療費の助成を受けられることがあります。また、特定疾患医療給付制度等も利用可能ですが、当院でその疾患にて診療及び処方などしている場合に限られます。
診療報酬の計算例:
例1)
月2回の訪問診療、及び往診1回し、採血施行、診療情報提供書(紹介状)作成した場合。
・在宅患者訪問診療料(1日につき)(特定施設等に入居する者の場合) | 400~830点×2 |
・往診料 | 720点+緊急加算 650点 |
夜間加算 1300点 | |
深夜加算 2300点 | |
在宅時医学総合管理料(月1回)もしくは、 | 4200~4500点 |
特定施設入居時等医学総合管理料(月1回) | 3000~3300点 |
・採血などによる検査料(項目により異なります) | 約600~800点 |
・診療情報提供料(Ⅰ) | 250点 |
1点=10円 | 6,020点~10,230点 |
1割負担の患者さんは6,020円~10,230円の自己負担となります。 |
3割負担の患者さんは18,060円~30,690円の自己負担となります。 |
例2)
月2回の訪問診療、在宅にて自己インスリン注射されている糖尿病の患者さんの場合。
・在宅患者訪問診療料(1日につき)(特定施設等に入居する者の場合) | 400~830点×2 |
・在宅自己注射指導管理料 | 820点 |
・血糖自己測定器加算 月60回以上測定する場合(1日2回血糖測定するとき) | 860点 |
・在宅時医学総合管理料(月1回)もしくは、 特定施設入居時等医学総合管理料(月1回) |
4,200~4,500点 3,000~3,300点 |
1点=10円 | 5,480~7,540点 |
1割負担の患者さんは5,480~7,540円の自己負担となります。 |
3割負担の患者さんは16,440~2,2620円の自己負担となります。 |
上記計算例はあくまでも1例となります。同じ診療内容でも書類作成の点数を追加する月などは自己負担が追加されることもあります。ご不明な点は、問い合わせいただければ幸いです。